分割協議の途中に一部の相続人が相続放棄をしたことで、さらに相続人が増えるといった困難を乗り越え、調停で争いなく遺産分割を終えることができました。
ご相談内容
ご依頼者様は、幼少期から父親の再婚相手を実の母親同様に慕って育ってきましたが、養子縁組をしていなかったため、継母の死後、相続権がないことが判明しました。ただ、継母の後に実父が亡くなったため、実父が持っていた継母の相続権をご依頼者様が相続することになりました。そのため、ご依頼者様が継母の遺産分割協議を取りまとめる必要が生じました。しかし、相続人が20人ほどもおり、どのように進めたら良いか途方に暮れ、当事務所にご相談にいらっしゃいました。
ご依頼後
相続人は多数に上りましたが、故人と疎遠な方が多かったので、まずは遺産を取得する意思があるかどうかを確認しました。
多くの方は取得を希望せず、一部の相続人の方は相続放棄の手続きを取りました。
その結果、相続人に変更が生じ、新たに8人ほども相続人が増えることになってしまいました。
ご依頼者様と全く面識のない遠い親戚が相続人になってしまったことで、個別に話し合っていくことが難しくなったため、調停を申し立てることにしました。
その結果、調停においても多くの相続人が遺産の取得を希望せず、無事、ほとんどの遺産をご依頼者様が取得することになりました。
解決のポイント
ご依頼者様は、長期間、継母と暮らしておられましたが、養子縁組していなかったことで、危うく相続権を失ってしまうところでした。幸い、お父様がお母様の後に亡くなったことで、お父様を通じて相続権を得ることができました。
最終的には、多くの方が遺産の取得を希望せず、養子縁組していた場合と同様の遺産をご依頼者様が取得することができました。近しい親戚の相続人に、ひとりひとり丁寧に事情を説明して理解を得たことがポイントになった事例でした。
記事の執筆者:弁護士 川島孝之
アロウズ法律事務所の代表弁護士川島孝之です。
これまで多くの相続事件を手掛けてきました。職人としての腕と、サービス業としての親身な対応を最高水準で両立させることをモットーとしています。